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「疵物の戀」 [感想]

・疵物の戀/沙野風結子 キャラ文庫


疵物の戀 (キャラ文庫)

疵物の戀 (キャラ文庫)

  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2020/07/28
  • メディア: 文庫



雑誌に掲載された表題作に、その後の書き下ろし。
表題作は受視点で、書き下ろしは攻視点で書かれている。

介護のために開発している脳のシステムが軍事目的で海外から狙われ、SPがつくことになった。
その担当SPが、高校の時に憧れていた先輩だった。
しかも、ただの憧れの先輩ではなく、借金のタカに家で下働きを強いられていた。
先輩は憎んでいるはず……。

芯がしっかりずっと通っている話。
良質なサスペンスドラマを見ているよう。
両想いになって終わり、ではない。
その後も、苦しい。
プロジェクトのことがあるから。
真智の研究を日本までもが欲しがって。
軍事目的のために。
そんなことはさせまいと、二人が選んだ決断は……。

真智、実は強い人。
家族のために自ら犠牲となった玖島は強い人だけれど、真智も強い人。
それは、玖島に一緒に生きると告げられたから。
軍事利用されまいと、脳を壊そう、命を絶とうとした時に。

いろいろあった二人だけれど、あったからこそ、今度は二人で幸せになって欲しい。
ごく普通の、幸せな日々を送ってほしい。

★★★★

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