「京都はんなり、かりそめ婚 洛中で新酒をめしあがれ」

・京都はんなり、かりそめ婚 洛中で新酒をめしあがれ／華藤えれな　ポプラ文庫ピュアフル

京都はんなり、かりそめ婚　洛中で新酒をめしあがれ (ポプラ文庫ピュアフル)

• 出版社/メーカー: ポプラ社
• 発売日: 2020/07/07
• メディア: Kindle版

BL作家の華藤さんの、一般ライト文芸本。
京都の洛中が、舞台。
BLでは外国が舞台の話が多いけれど、京都出身・在中である華藤さん。
京都を知り尽くしているね。

京都のリフォーム会社の契約社員だった、沙耶。
けれど、首になってしまう。
住む所も仕事もなく途方に暮れていた沙耶に、偶然出会った、首の原因でもあった、酒蔵の杜氏の新藤すぐる。
彼から酒蔵存続のために契約結婚して欲しいと言われ、承諾することに。
そして、かりそめの夫婦生活が始まった……。

どちらかというと、恋愛よりも酒蔵の存続のほうが、話の比率が高い。
日本酒にはそんな詳しくない沙耶が、みんなに教えてもらいながら、お嫁さんらしくなるように頑張る。
明るく前向きな性格は、好感が持てる。
皆も、沙耶を応援してくれる。
一方、すぐるの方はというと、酒造りばかりで、なかなか。
けれど、料理を作ってとっておきの場所へお花見に連れて行ったりしてくれて、ちょっときゅんとしちゃった。

敬語でしゃべるすぐるが、ラスト、命令口調で「契約更新しろ、いいな」というのにも、きゅんとしちゃった。
はっきりと、自分の気持ちは言わないのね。
好き、という言葉が1度もない
照れくさいから?
京男って、こんなもんなの?
まあね、沙耶のほうも好きとは言わないし、どっちもどっち?
というか、この話、続編がでるのか?
副題も付いているしね。

★★★☆