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「隣人には秘密がある」 [感想]

・隣人には秘密がある/秀香穂里 キャラ文庫


隣人には秘密がある(キャラ文庫)

隣人には秘密がある(キャラ文庫)

  • 作者: 秀香穂里
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2010/01/27
  • メディア: 文庫



ポルノ小説家×入院の祖父から頼まれ管理人をしている大学生。

秀さんの本だけれど、重くなくグレーでもない話る
イラストも、山田ユギさんだし。

ボロいけれど、新宿区の一等地に建つ平屋建てアパートの住人は、ホステス、パチプロ、ホスト、そして、ポルノ小説家と、皆さん、ユニーク。
そして、個性的。
祖父母に育てられた太一は、祖父が入院したため、臨時の管理人を頑張る。

私、ヤクザものや、アラブものや、王子ものよりも、生活感が溢れていてごく普通のどこにでもいるような人が普通に生活している話のほうが、好きなのよ。
この話も、生活感があり現実味があるし、主人公ももちろんのこと、ちょっとした登場しない登場人物も、ちゃんと動きがわかる。
庭の大きな桜の木、庭の洗濯物、走って1分の銭湯など、景色が浮かんでくる。
それに、やさしい風が吹いている。

芝居が好きで、芝居がしたくて、すばる荘に住んでいる住人達。
彼らはそれぞれ悩みを抱えていて、現実味がある。

両親を3歳のときに亡くし、3年前に祖母も亡くし、今、祖父が入院している太一くん。
みんな、いずれはいなくなる、と言う言葉が痛い。
お祖父さんがICUに入り、容態が悪くなった時も、もう胸が痛くて、泣いちゃったよ。

この話、BL本を読んでいる感じじゃなく、普通の文芸本の感じだ。
ちゃんとBLな部分もあるが。

中間部くらいもえっちシーン(最後までしていない)の持って行き方がちょっと強引かな?と思ったんだけれど、後から、吉住が告白した「オトナだから素直になれない」を知り、納得。
そう、オトナだから臆病になるよね。

この本を読み終わって、素直に、おもしろかった! と思った。
みんなそれぞれ頑張って!

★★★★

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