SSブログ

「優しい夜」 [感想]

・優しい夜/高岡ミズミ X文庫WH


優しい夜 (講談社X文庫ホワイトハート(BL))

優しい夜 (講談社X文庫ホワイトハート(BL))

  • 作者: 高岡 ミズミ
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2012/06/01
  • メディア: 文庫



家族のように一緒に住んでいる二人の、穏やかな家族小説のような、話。
読みきり。

中学生の時に、交通事故で売れない画家の父に母と兄を亡くし、ひとりきりになってしまった幸弘。
遠縁の常盤家に引き取られ、家族のようによくしてもらっている。
特に、兄のような存在の将臣には、本当に大事にしてもらっている。
将臣は、すごく優しい。
けれど、幸弘には、それが心苦しい。
なぜなら、幸弘は将臣のことが好きだからで……。

切ない想いを抱えているんだね、幸弘。
でもさ、将臣が過保護になるのもわかるんだ。
事故の前から可愛がってきた幸弘が、家族をすべて亡くし心も身体も傷つき、同情するのではなく、弟のように思っているから、大事にしているんだと。
けれど、幸弘は遠慮して。
将臣に救われ、特別な感情を持ってしまった幸弘には、兄のように、家族のようにはできないって。

いじいじと片思いに悩んでいるのではなく、この家から独立したら自分の気持ちを告げようとしているのは、いいね。
恋人にはなれないと思っているのが前提だけれど。

幸弘が常盤さん(将臣の父)にもすごく大事にされているのがわかる場面、思わず、涙がホロリ[たらーっ(汗)]
いい人だね、常盤さんも、将臣も。
いい人に引き取られ育てられて、よかったね、幸弘。

それにしても、将臣、鈍すぎ!
幸弘に告白されてもあんな答えで、それからもあんな態度だったし。
いちおう両思いになっても、手すら握ってこないし。
ま、家族が恋人になったんだから今までと変わらないものわかるけれど、でもさ。
ねぇ。

将臣がそんなんだから、えっちシーンは少ないし、エロくない。
X文庫WHだから、これでもいいか。

イラスト担当の水名瀬さんの絵が、話にすごく合っていて、よかった。

★★★

nice!(12)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 12

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。