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「金沢金魚館 シュガードーナツと少女歌劇」 [感想]

・金沢金魚館 シュガードーナツと少女歌劇/みゆ 集英社オレンジ文庫


金沢金魚館 シュガードーナツと少女歌劇 (集英社オレンジ文庫)

金沢金魚館 シュガードーナツと少女歌劇 (集英社オレンジ文庫)

  • 作者: みゆ
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2016/06/23
  • メディア: 文庫



金沢市の武蔵が辻にある近江町市場の片隅にある喫茶店が舞台。
シリーズ2冊目。

作者のみゆさんも金沢市出身(私は金沢市内の産婦人科で生まれ、近郊の街に在住)。
この本の発売日には、地元金沢の老舗書店で、サイン会があった。
残念ながら私は仕事だったので、近所の本屋で買ったよ。

2冊目は、不思議度が上がっていた。

1つめの話は、薄荷くんの中学の時の同級生の話。
この話は、ちょっと泣けるの。
子を想う母の想いに。
母を想う子の想いに。
そして、薄荷くんも変わっていく。

2つめの話は、九谷焼き職人さんの話。
薄荷くんとそんなに変わらない年なのに、個展を開いている新進気鋭の、見た目は外国人だけれど加賀の人。
九谷焼は金沢じゃなくて、加賀の寺井や大聖寺あたり。
薄荷くんが夢を見て、銀四郎くんの先祖をたどっていく。
九谷焼の絵柄の隠された想い。
加賀藩はキリシタン大名の高山右近が滞在していたところ。
それと結び付けているんだろうな。
薄荷くんは銀四郎さんに触発され、夢を叶えるために声優の事務所に所属することに。
どんどん変わっていくね。

3つ目の話は、アニメの声優オーディションに落ちた薄荷くんが粟崎遊園に迷い込む話。
粟崎遊園は実在していて、劇場や温泉施設などがあった。
が、戦争が始まる前になくなった。
実は私も知らなかったんだけれど、あった場所は、私がお世話になっている病院の元の場所(一昨年移転した)あたり。
これにはびっくり。
私は残念ながら、迷い込まなかった。
浅ノ川電車に乗らなかったから?
うちは金沢じゃなくて潟の向こうだから、車で海浜道路を通って行くんだよね。
粟崎遊園は宝塚みたいなもので、当時はすごく賑わっていたんだって。
ここで薄荷くんは、喫茶店に貼ってある詩の作者の金魚さんと出会う。
金魚さんの想い。
それも切ないものだった。

1巻目の主役ぽかった、金沢大学に通う作家志望で常連の花純ちゃんがちょっとしか出てこないんだけれど、なんと彼女、小説の新人賞の最終選考に残っていると。
頑張ってたんだね。
薄荷くんは、努力してないと思う。
落ちて当たり前。
これから頑張って。
というか、続きが出れば、ちょい役を貰えた薄荷くんは金沢から東京に行っちゃうのか?
うーん……。

地元が舞台の小説は、読みやすいわ。
ただ、残念なのが、言葉がほとんど標準語だよ。
もっと金沢弁で喋って欲しい。

★★★☆


金沢金魚館 (集英社オレンジ文庫)

金沢金魚館 (集英社オレンジ文庫)

  • 作者: みゆ
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2015/11/20
  • メディア: 文庫



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