「今宵、熱砂の王子にさらわれて」

・今宵、熱砂の王子にさらわれて／水上ルイ　BBN

今宵、熱砂の王子にさらわれて (ビーボーイノベルズ)

• 作者: 水上 ルイ
• 出版社/メーカー: リブレ出版
• 発売日: 2012/11/19
• メディア: 新書

水上さんの、新シリーズ。
続編が来年の3月に発売されることが、決定している。
雑誌に掲載されたのではなく書き下ろしなのに、すごいね。

アラブの国の王子様で、石油会社の副社長×家族を養うために大学をやめ警備のバイトをしている、健気な青年
。

前半は日本で、2/3はアラブが舞台。
最初は、ハイスピードで話が進む。
二人が出会って、アスファがひと目で恋に落ち、晃の家族を心配要らないようにし、あっという間に晃とイズマイルへ。
イズマイルに着いてからは、ペースダウン。
落ち着いてきた。

アスファ、いつもの水上さんのセレブ攻キャラと、ちよっと違う。
明るいし、強引だし、えらそうだし。
でも、晃への恋心に関しては、忍耐強い。

アスファ、ちゃっちゃっちゃっと晃を国に連れて帰ってきたけれど、すぐに晃には手を出さない。
晃とハーレムにある自分のベッドで一緒に寝ているというのに。
彼が好きになってくれるのを待っている。
触るけど、最後まではしない。
なんて忍耐力！・笑
アスファも健気だね。

一方、晃は父親が亡くなってから、現実を見るようになってきた。
王子の花嫁だなんて、そんな夢みたいなこと、受けいられないと。
自分はただのSPだと。
病弱の母親と、受験を控えた成績優秀な上の弟に、まだ小学生の双子の弟。
家族のために、健気に頑張ってきた晃。

うーん、こうやって書いていると、二人の切ない想いが……となるはずなんだけれど、この話、そんなに切なくはないんだよねぇ。
どちらかというと、明るい話。
余韻に浸る暇なく話が進んでいくからかな?
直系の王子はアスファひとりだけで、結婚して子どもを成さなければならないのに、アスファはまったく気にせず、晃ひとりだけが気に病んだからかな?

ドキドキしたのは。
初夜の準備のお風呂でのシーン。
屋敷で働いている、晃と年の近い青年3人(3人とも同姓の恋人あり)に磨かれるシーン、色っぽい。
いやーん・笑
2回目は、そんなことはなかったんだけどね。
アスファの秘書とその恋人(3人のうちの一人)との番外編も、読みたくなってきたぞ。
えっちシーンは、ま、こんなもんかなと。

ヒールは、お約束な人物。

続編は、切なめでお願いします。

★★★☆