「リフレイン～君の心を眠らせないで～」

・リフレイン～君の心を眠らせないで～／鳩村衣杏　ガッシュ文庫

リフレイン~君の心を眠らせないで~ (ガッシュ文庫)

• 作者: 鳩村 衣杏
• 出版社/メーカー: 海王社
• 発売日: 2012/09/28
• メディア: 文庫

以前、ノベルズで出ていた「君の心を眠らせないで」を読んでいるので、この文庫は予約しなかった。
でも、本屋で見て、鳩村さんデビュー10周年小冊子の全サの応募券が付いているので、買った。
鳩村さんのデビュー作、好きなんです、私。
恋によって二人が成長するところや、登場人物に言わせているだろう鳩村さんの優しさ(セリフ)が、好きなんです。

同じマンションに住む、二人。
宅配便の配達の間違えで、知り合う。
お互い、戸惑い悩み、やっと二人が恋人同士になったのに、事故で記憶喪失になってしまう……。

ゲイの税理士×ビール会社の営業のノンケ。

この話も、鳩村さんらしい話。
二人が成長していく、話。
優しい、話。
切ない、話。

読んでいて、ドラえもんのこととか、覚えていた。
そうそう、こんな話だったと。

司が諒一に言った言葉が、好き。
「この世に強い人間なんかいないよ。…以下略…」
司、そうなんだ。
そうなんだね。
司の言葉が、優しさが、諒一の心にも、私の心にも、沁みる。
司が記憶喪失になって、諒一が司に言われた言葉を、今度は、諒一が司に言う。
そこで初めて、司の心情がどういう状況だったか悟ることができる。
司、優しい。
ゲイで傷ついてきたから、人に優しくできるのかな。
それが諒一にも伝わって、諒一が変わっていった。

ノベルズの話と、雑誌に掲載されたクリスマスの話と、書き下ろしのその後の話が、入っている。
ちょっとは期待したが、その後の話でも、司の記憶は、戻っていない。
記憶が戻って欲しいと、思う。
けど、今の二人なら、記憶が戻らなくても、大丈夫だね。

鳩村さんらしい話で、よかった。

イラスト担当が替わったが、新しい小椋ムクさんのほうがこの話には合っていると思う。

★★★★

ノベルズはこちら↓

君の心を眠らせないで (リンクスロマンス)

• 作者: 鳩村 衣杏
• 出版社/メーカー: 幻冬舎コミックス
• 発売日: 2006/11/30
• メディア: 新書