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「金沢古妖具屋くらがり堂」 [感想]

・金沢古妖具屋くらがり堂/峰守ひろかず ポプラ文庫ピュアフル


金沢古妖具屋くらがり堂 (ポプラ文庫ピュアフル)

金沢古妖具屋くらがり堂 (ポプラ文庫ピュアフル)

  • 作者: ひろかず, 峰守
  • 出版社/メーカー: ポプラ社
  • 発売日: 2020/02/05
  • メディア: 文庫



金沢が舞台の、妖怪友情もの。
ということで、発売前に予約して、今、読み終えた(発売日手に入れ途中まで読んであった)。

この話、店に妖具を買いに来る話ではなく、この店でバイトをすることになった高校一年の転校生と、この店に住んでいてバイトをしている同じクラスの妖怪とのコンビの友情と妖怪とのコミュニケーションの話。

主人公の汀一が奈良から祖父母が住む金沢に引っ越してきたという設定なので、一緒に金沢がどういうところなのかを知ることができる。
といっても、私、金沢近郊に住んでいるので、あぁあの場所ねと、情景が浮かんでくる。
浅ノ川近くの暗がり坂付近にあるという設定の小道具店、蔵借堂。
汀が住んでいる長町、学校はバスで犀川大橋を渡りしばらく行って郊外の住宅地の坂を上がったレベルはそんなに高くない県立高校(ということは、たぶんあそこ)。
兼六園、ひがし茶屋街、主計町、卯辰山、橋場町バス停、金沢駅東口のガラスドーム屋根に鼓門、金沢女子のあこがれのパフェがある武蔵町の老舗フルーツパーラーなどの場所。
浅ノ川に掛かる橋を渡って浄化する風習。
そして、私の住む街も出てくる。
それで、すっごく身近に感じる。

お人好しな汀一くんの人柄に、好感が持てる。
人と接しようとはあまりしない傘の妖怪のクールビューティーな時雨くんが、汀一と接することでどんどん変わっていくのが、いい。

他の妖怪たちも、個性的。
この話には、人間よりも妖怪のほうが多く登場する。
ほとんど人間と同じように生活している。
なんだか、実際に居るかのよう。

連作短編なので、読みやすい。
方言がもっとあったほうがよかったな。

続きが楽しみ。

★★★★

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